染付
江戸中期、元禄期、1690~1710年代前後
D14.4㎝(14.5) H5.6㎝(5.8) 完品
最後の1客、詳細はお問い合わせ下さい。
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気になるこの形、ナニモノ?
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時々見かけるこの形、中鉢、
かなり上手の染付….藍柿なのかな?
金襴手の染付、と考えると解りやすいかな?
と思います。
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柴田コレクション 総目録、307P、同手掲載
(Part4-8、同形の染錦中鉢も同ページ掲載)
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最盛期の伊万里の種類について少し…
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最盛期伊万里には、最上手の色絵、型物、と呼はれる色絵伊万里
があります。
型物は、
一定条件の型(文様・器形)に収まった最上手染錦とお考え下さい。
(染付磁器に金彩と多彩色で豪華な文様を描く)
美術館で見かける五艘船鉢、琴高仙人鉢、荒磯文等、有名です。
希少です。
この型物に準じた上手染錦を準型物、と呼んだりします。
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この型物・準型物を含め、同時代の上手染錦を、
“古伊万里金襴手様式” と呼びます。
(金襴手と短く使う事が多い)
(同時代の柿右衛門様式とはかなり相違有)
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複雑になってきましたが…
古伊万里金襴手様式の技術は、後の伊万里染錦に受け継がれ、
幕末期も作られています。
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なぜ古伊万里金襴手様式の製造が始まった?
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国内外で大人気の濁手柿右衛門、
真白な磁器製作は、かなり高リスクでした。
(製作成功率は、2割に満たない時もあった)
(磁体の白さは土の配分、強度との戦いだった)
真白な濁手柿右衛門、少ないはずです。
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元禄期に製作が始まった古伊万里金襴手様式は、
染付ベースに、色彩豊かな色絵を金彩を加え描かれています。
豪華な器は、海外、国内の富裕層の人気商品となりました。
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ご紹介の中鉢は、
染付の金襴手、という表現が近いかな と思います。
(染付の金襴手? 究極の便利言葉ですが解りやすい言葉です)
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藍柿右衛門同様、精製された綺麗な土、
綺麗な土からふわっと浮き上かる上手呉須、
薄ダミを駆使し、繊細に描かれた唐草アレンジ文、
(唐草文は鍋島の、団龍は型物のイメージがしそうです)
独特な作りの器形、
お洒落で粋な五寸中鉢、向付、気品があります。
(当時、日本では、通常20客単位で出荷)
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完品は最後の1客です。
(他に、小紅ホツ有が1客はSOLD)
詳細はお問い合わせ下さい。
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呉須発色が上手に撮影できませんでした。
実際の発色は、もう少し青味を帯び、彩度を少し控えた
落ち着いた色です。
画像5番目に少し青味を足した感じかな、と思います。
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Condition
*傷ではありませんがご確認戴きたい詳細
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畳付がつく状態で手前に紙一枚の隙有
(手前を押し微揺れ有、薄ランチョンマット使用で解消)
紅縁に紅濃淡斑・ムシクイ・凹凸多少
極小灰振・釉切・呉須濃淡滲斑多少
伊万里唐草鳳凰紅縁五寸中鉢④
¥38,000